ラビッツ、チェコ代表と軽井沢で対戦!


SEIBUプリンセスラビッツ vs チェコ代表

SEIBUプリンセスラビッツ 1(0−2、1−1、0−4)7 チェコ代表

※ シュート数 SEIBU14(1,9,4):チェコ47(13,16,18)

「SEIBU PRINCESS RABBITS」公式サイトでも写真と速報がアップされており、もう皆さんご存じと思いますが、11/4(火)にラビッツがチェコ代表チームと練習試合で対戦しました。

チェコ代表チームは、11/8に開幕するIIHF女子世界選手権トップディビジョン予選で日本代表と対戦しますが、事前合宿の地に軽井沢を選び、11/6午前まで軽井沢・風越公園アイスアリーナで練習を重ねています。
今回、チェコ代表の相手にラビッツが選ばれ、軽井沢で対戦することとなりました。

ラビッツにとって夏のダイドーカップ以来久しぶりとなる試合で、かつチェコ代表という願ってもない相手との対戦とあって試合前の練習から大きな声が出ており、選手たちも気合い充分。
日本代表に招集されている7人のメンバーはいないものの、世界の強豪相手にどれだけ自分たちのホッケー、ラビッツらしいホッケーができるか、を試す絶好の機会となりました。

立ち上がりに硬さからか2失点も…徐々に攻勢に

軽井沢の風越アイスアリーナには、平日の13:50試合開始という時間帯にもかかわらず、地元の方やホッケーファンが集まり、なんと246名の観客が見つめるなか、試合開始。
チェコ代表はU-18世界選手権のメンバーが多く入り、何名かの選手を除いてはサイズもそれほど無いのですが、パスやシュートのスキルにたけた選手が揃っている。またチーム全体としては攻撃力があり、キレイなパスの組み立てから正確なシュートでゴールを奪う、という前評判です。

試合開始直後は、チェコがそのスキルを活かしてラビッツのゾーンに攻め込む展開となります。 
久々の試合ということもあってか、あるいは気合いが空回りしたのか、ラビッツは動きが硬い印象で、序盤後手後手に回ります。
開始1:11で相手のスピードにかき回され、思わずトリッピングの反則。
そのキルプレーで耐えられず2:02にチェコの13Povovaに強いシュートを決められ先制を許します。GKがブラインドになったところにずばっと決められました。
さらに1分後の3:01には左サイドを21Vanisobaが1人でパックを持ち込み、斜め45度からシュート。決して強いシュートでは無かったのですが、パックはGKの横をすり抜けゴールネット中段に。
あっという間に、0−2とラビッツはリードを許します。

しかし硬さが取れてきたのか、5分をすぎた頃からラビッツが反撃に転じます。ここでずるずると行かなかったのは収穫点。6分過ぎには相手反則でパワープレーをもらい、いい形で何度もチェコゴール前に攻め込みます。
得点こそならなかったものの、16内田−21荻野−18大橋のラインがなかなかの動きを見せ、先発GKの39吉田も好セーブを連発するなど徐々にペースをつかみます。
第1ピリオド後半は互角以上の内容でこのあとの反撃が期待できる内容で終えました。

20江口がチェコから見事にゴール

えた第2ピリオド、開始直後にラビッツのゴールが飛び出します。
20:25に相手の反則で得たパワープレーのチャンス。そのわずか10秒でラビッツが得点をもぎ取ります。

フェイスオフからパックをキープし、左サイドから8宮崎が持ち込んでシュート、そのリバウンドを右サイドから20江口がきっちりと押し込みました。
チェコ代表からの得点に、氷上の選手もベンチの選手も飛び上がって喜ぶような見事なゴールでラビッツは1−2と1点差に詰め寄ります。
このゴールでややリラックスムードだったチェコ代表が顔色を変えた、というのは言い過ぎでしょうか。フェイスオフからきっちりとした形で決めたいいゴールでした。

1点差に詰め寄られたチェコ代表はこれでギアを1段上げた感じに。ここから試合はお互いが攻め合うスピード感あふれる展開となりました。

ラビッツはそんな相手に対しても、全員でしっかり対応していたのですが、29:47に落とし穴が。
17Horalkovaが左サイドやや遠目から打った、ループ気味の緩いシュートがふわっとゴールに吸い込まれ、チェコが追加点を上げます。
2点ビハインドとなったラビッツですが、しっかり走るホッケーを見せて互角のまま試合を展開します。
その後は得点を許さず、第2ピリオドを終えました。

第3ピリオドに4失点、1−7の敗戦も収穫アリ

第3ピリオドに反撃を見せたかったラビッツですが、だんだんとチェコのスピードとパス精度があがるにつれて劣勢に回り、残念ながら4失点。
チェコ代表が見せる高いスキルとシュート精度はさすがと言わざるを得ない内容でした。
しかし最後までしっかり走ってパックを追うラビッツ選手の姿勢は健在で、この試合で何かをつかもうという各選手のモチベーションの高さは伝わってきました。
最終的には1−7という結果でしたが、今月11/20~11/24に帯広で行われる第3回女子日本アイスホッケーリーグの前半戦に向けて、強豪相手に戦えたことは大きな経験となったと思います。

最後は、全員で記念撮影。「3・2・1…ホッキー」のかけ声のもと、お互いが笑顔で写真のフレームに収まり、今後の健闘を誓い合いました。


<ゴールを決めた江口選手のコメント>

久しぶりの試合で、5月からの半年で自分が取り組んでいた事がどれくらいできるかを試すつもりで試合に臨みました。ゴールのシーンは、リバウンドが出てくると読んだところにポジショニングができ、練習通りに決めることができたと思います。
チェコは事前に思っていたよりは力が無いなという印象で、いつものSEIBUの100%を出せたら負ける相手ではないと感じました。ブレイクアウトからの攻撃の展開、パック処理の仕方がもう少しうまくできたらというのは反省点です。
1点取れたのは良かったですが、まだまだ課題も見つかったので、次の大会に向けてより強くなれるようもっと練習していきたいと思います。

<アシストの宮崎選手のコメント>

開始直後は緊張していましたが、ベンチからもスゴく声が出ていて、慣れてきてからは味方をしっかり見てプレーができたと思います。
監督からもどんどん前に行こう、と言われていましたし、自分からゴールに向かって行く、という意識でプレーすることを心がけました。
チェコとはそんなにレベルの差を感じませんでしたし、スピードの部分は私たちが勝っているとも思いましたが、U-18 世界選手権の時もスコアの部分でなかなか決めきれないという部分があり、そのあたりは一つ違いがあると思うので、これからまた練習を頑張りたいと思います。

<対チェコ戦 出場メンバー>


GK
   39  吉田 有美加
    1  上村 彩
DF  
    3  曽我部 美月
    4  黒川 奈津美
    5  杉本 奈津実
    7  園田 歩美
   13  川田 明日香
   15  岡田 麻実
   30  菊池 沙都
   14  知古嶋 綾子
FW 
    2  湯山 せいか
    8  宮崎 千里      
    9  森井 真衣(A)
   11  松永 佳瑚
   16  内田 都香沙(C)
   17  佐野 月咲
   18  大橋 麻実
   19  牛窪 美里
   20  江口 とも
   21  荻野 杏梨
   23  中村 美菜
   24  田原 澄香
   25  能登屋 優衣

   ※背番号はこの試合のゲームシートに記載された番号で表記しています。 


< 2014.11.12 >


関谷 知生(せきやともき)プロフィール

ライターの関谷です。不定期ですが、女子ホッケー&ラビッツに関する情報をアップしていきますのでよろしくお願いします。ホッケーの魅力に惹かれたのは子どものころ。取材者としては2004年の男子アジアリーグ開幕から、女子は2006年から取材しております。個人ブログはhttp://ameblo.jp/ts-starpress/ 。編集プロダクション「スタープレス」(http://starpress.co.jp/)に所属し、雑誌やウェブに記事を寄稿しています。